その赤い箱は、ゴミ箱じゃない

箱の名前は「いつでもマックでおもちゃリサイクル」。マクドナルドが全国の店舗に回収ボックスを置いて、遊ばなくなったハッピーセットのプラスチックおもちゃを集めている取り組みだ。始まったのは2018年。プラスチックのおもちゃを対象にしたリサイクルとしては、国内最大規模なのだという。

気になるのは、その規模感だ。公式が公表している回収数の累計は——

回収したおもちゃは、累計でおよそ2,610万個。
日本マクドナルド試算/2025年12月末時点

一年や二年で集まった数字ではないけれど、手放されたおもちゃがこれだけ積み上がってきた、という事実の前では、私たちもつい立ち止まってしまう。

おもちゃは、トレイになって戻ってくる

集まったおもちゃは、どこへ行くのだろう。答えは、思ったより身近だった。マクドナルドが店内で使っている、あの「みどりのトレイ」。あれには、回収したおもちゃから生まれたリサイクル樹脂が1割ほど混ぜられている。

つまり、誰かが箱に入れたおもちゃの一部が、別の誰かの食事を運ぶトレイになって、また店に帰ってくる。トレイにならなかったプラスチックも、家電製品などの素材として、別の場所で使われていく。マクドナルドは、この「目に見える形」にこだわったそうだ。リサイクルと言われても、ふだんは行き先が見えない。でもトレイなら、次に来たとき、私たちは自分の目でそれを確かめられる。

おもちゃの、ぐるぐるリサイクル!
おもちゃリサイクルの循環図あそんだおもちゃを回収ボックスに入れる→リサイクルしてみどりのトレイなどに生まれ変わる→お店に戻ってくる→また新しいかたちに、というぐるぐるの循環。 あそんだ おもちゃ 回収ボックスに入れる リサイクル とかして、生まれ変わる みどりのトレイ お店にもどってくる また、あたらしいかたちに 生まれ変わる!
あそんだおもちゃが、リサイクルされて「みどりのトレイ」に。お店でまた会える、ぐるぐるの旅。

きっかけは、ひとりの親の「もったいない」

なぜ、ハンバーガーの会社がおもちゃを集めているのか。出発点は、ある保護者の声だったという。家におもちゃがどんどんたまって困る。でも、捨てるのはもったいない。その小さな本音が、全国規模の仕組みになった。

この活動は、環境省の「プラスチック・スマート」というキャンペーンの一環でもある。ただ、マクドナルドが大切にしているのは、回収量の数字そのものよりも、子どもが遊ばなくなったおもちゃと「上手にお別れする」体験のほうらしい。手放すことが、捨てることではなく、つなぐことになる。その感覚を、親子で持ち帰ってもらうこと。それがこの箱の、もうひとつの役目なのかもしれない。

数字でわかる、おもちゃリサイクル.
おもちゃリサイクルの主要数値これまでに集まったおもちゃ:累計約2,610万個(2025年12月末時点・日本マクドナルド試算)。リサイクルを始めた年:2018年。トレイに入っているリサイクル素材:約10%。プラスチック製おもちゃのリサイクルとしては国内最大級。 2,610万 これまでに あつまった おもちゃ 2018年〜 リサイクルを はじめた年 10% トレイに入っている リサイクル素材 国内 最大級!
※数字は日本マクドナルド公表値(回収累計は2025年12月末時点の試算)。

shop the change. の視点

年間およそ1億食ともいわれる、ハッピーセット。そのおもちゃが、これまでに2,610万個もリサイクルされてきた。この数字をどう受け取るかは、もちろん人それぞれだ。「まだ一部にすぎない」と思う人もいるだろうし、「ここまで積み上げたのか」と感じる人もいるだろう。

ただ、次にあの赤い箱の前を通るとき。手のひらにのるくらいの小さなおもちゃが、誰かのトレイになって帰ってくる道のりに、少しだけ思いをはせてみても、いいのかもしれない。